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ギャラリー散歩 vol.236 絵本「あの日 おおつち保育園」原画展@「そば屋案山棒」 [ギャラリー散歩]

 2017年7月23日(日)〜8月30日(水)まで、
焼津市大住の「そば屋案山棒」さんで行われているのが、
絵本「あの日 おおつち保育園」原画展です。

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絵本「あの日 〜おおつち保育園 3・11〜」
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店内の展示スペースには、絵本の原画が展示されていました。
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この作品は、東日本大震災で帰宅途中の園児9人が亡くなった
岩手県大槌町の「大槌保育園」の実話を描いた絵本で、
2014年に「大槌保育園」と交流のある「静岡うみねこの会」
(静岡市の幼稚園の先生たちの集まり)が、
静岡市在住の絵本作家の「森谷明子」さんに依頼して
作られた作品だそうです。
森谷さんは、2013年夏に大槌町を訪ね、
八木澤園長が語った話を元に、原画を描いたのだそう。

2016年5月11日の静岡新聞によると、
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初版の6000部は、発行から2年で完売。
書店には置かず、県ボランティア協会内に事務局を置いて販売し、
その後再版が検討されたとか。

その後、2016年9月の記事では、
【以下、引用】
揺れる思いも記憶の糧に 静岡発3・11絵本が再版
(2016/9/2 11:00)
 東日本大震災で帰宅途中の園児9人が亡くなった岩手県大槌町の「大槌保育園」の実話を描いた絵本「あの日―おおつち保育園3・11」(A4判、37ページ)がこのほど再版された。絵本作家の森谷明子さん=静岡市在住=は、今も絵本を開けずにいるという八木沢弓美子園長の複雑な思いを知り、再版を悩み続けた日々を振り返る。
 初版は2014年、同園と交流を続ける静岡市の幼稚園教諭らによる「静岡うみねこの会」が、森谷さんに依頼して実現した。書店で販売しなかったが、静岡県内を中心に注文を受け、6千部が今春完売。残りわずかとなった頃、静岡県外に反響が広がった。神奈川県平塚市の防災組織、東京都や北海道の住民からも問い合わせがあった。「学校に贈る」と買い求めた徳島県の女性もいた。
 一方、八木沢園長は今年1月、静岡市での講演会で「絵本をまだ開くことができない」と心境を吐露した。森谷さんは「希望で締めくくった物語の後も実際の日々は続き、どん底の気持ちになることもあるだろう。絵本の内容を受け止められる心境ではないのかも」と感じ、被災地に絵本が届くことに不安を抱いた。
 再版をためらう中で、決め手は絵本の存在を知り、電話をかけてきた宮城県の女性の言葉だった。「死者の一番の供養は忘れないこと」。震災から5年半。被災地は記憶の風化を懸念していると教えられた。
 八木沢園長からも静岡での講演後に元園児とのやりとりが伝えられた。小学生になった男児は「早く(絵本出版を)教えてほしかった。卒園した皆で読みたい」と喜んだという。
 八木沢園長は「(亡くなって)天使になった子が導いてくれた。静岡と大槌、両方の思いがあっていい」と背中を押した。
 森谷さんは「八木沢園長の言葉は重かった。今も、被災地はさまざまな思いを抱えている。絵本を通じて、読者と共有していけたら」と話している。
 問い合わせは出版元の牧羊舎<電、ファクス054(207)7325>へ。
県ボランティア協会、戸田書店静岡本店でも購入できる。
【引用、ここまで】

静岡県内を中心に口コミで広がり、出版後2年で6000部が完売。
昨年夏に第3刷増版となったそうです。

原画を見たときの感想は、
それは原画であるから当然のことなのですが、
ところどころにある空間が、何か不自然な感じがして、
不安な感情を持ったのですが、
後で、買わせてもらった絵本を開いたときに、
そこに文章が入り、ページ全体が落ち着いていました。
それは、絵本の原画ならではだったのですが、
本来ならいるべき子どもがいなくなってしまった、
虚無感を勝手に連想してしまっていたのかもしれません。

「3・11」を経験した皆さんが、
それぞれの心の中にある感情は、同じとは限りません。
それでも、喪失感のようなモノはあるわけで、
それを口に出し、しっかりと悲しむことで、
受け入れることができるのかもしれません。
そうして、受け入れたり、共有することで、
孤独感から少しずつ立ち直り、
新しい次の世界に踏み出せるのかもしれません。
この作品は、小さいお子さんのことを描きながら、
見事に【グリーフケア】のあり方を書いているように思いました。

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ぜひ原画展を観てください。
夏休みですし、もうすぐ防災訓練もあると思います。
お子さんと一緒に読んだり、話したりするのもいいですね。

さて、この日、ぱらぽんは滑り込みで、「朝ソバ」を食べました
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お庭も綺麗にされていますね。
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ぱらぽんがのんびりおそばを食べていたら、
星やんは、おそばを打っていました。
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あまりにも素敵だったので、盗撮。
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そばに、語りかけるように、
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祈るような神聖な世界でした。

打ち終えた星やんにそのことを告げると、
「ああ、ほんとうに。上手くできますようにって、
 祈りながら打っているかもしれないね」
とにっこり笑いました。

原画展を観がてら、おそばを食べに来てください。
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「そば屋案山棒」
焼津市大住99
TEL 054−627−7222
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